昨年実施した規制改革実施計画では、保育士不足に対応するために現在年1回の保育士試験を2回に増やす検討を行うように厚生労働省に求めていましたが、今月1日、規制改革会議の作業部会において、同省は対応を見送ると回答しました。
厚生労働省の試算では、試験を年2回に増やした場合、直後は受験者数、合格者数ともに増えるが、数年後には年1回の場合と同数となり、効果は小さくなるとのことです。
また、年2回に増やした分の試験会場費用や人件費などの経費を賄うために、受験料が現行より8000円高くなるとし、受験者にとってもメリットよりデメリットの方が大きいという見解のようです。
現在、すでに待機児童問題が深刻な状態で、その一因が保育士不足だと言われています。
保育施設を建設する自治体は少なくないのですが、施設を作っても、そこで勤務する保育士が足りないというのが実状となっています。
数年後のことはともかくとして、その問題解消のために、すぐに保育士を増やす施策を打ち出さなければ状態は悪化の一途をたどる、というのが保育業界における有識者の見解となっています。
厚労省は、保育士を増やす施策として幼稚園の教諭の免許を持つ人が保育士資格を取るための研修を軽減する措置を実施するとのことですが、それだけでは不足で、試験回数を増やす措置も必要というのが大方の見方のようです。
(2014年5月2日)